いいからアイドルを聴け!

私はほんとうのアイドルファンからしたら望まれた顧客ではないのかもしれませんが、でも音楽がアイドル分野にはみ出してしまったせいでこういうことになったんだ!ということで、音楽的に好きという理由で推しはじめたアイドルの話をします。

 

sora tob sakana

以前にも紹介したり、右の方にCDのリンクが貼ってあったりするオサカナちゃんです。

音楽Pの照井順政氏のバンド「ハイスイノナサ」のファンだったことから聞き始め、いつのまにかドハマリして全力推しでお金を湯水のようにつぎ込んでいます。

下記、最新アルバムのWorld Fragment Tour (初回版) (通常版)のリード曲「knock! knock!」良いです。韓国に寄せつつ世界を狙いたいサウンドになっていて初聴きしたとき嬉しかったのを覚えている。

男性のオタクたちに紛れて彼女たちを推すことにためらいがなくなったのは、彼女たちの素朴なキャラクターと、歳を重ねてJKになっても変に擦れたりエロくなったりしないで純朴で素直な感じが続いているところ。また、それぞれがそれぞれにインテリジェンスだったり思い切りの良いところだったりを見せて、ふつうに人として尊敬できるところがあるのも良い。

好きになった2015年当時、チェキ撮影のときにお話していてインディー・ロック等に明るいことを知ってから風間玲マライカちゃん(instagram)を推していたのですが、2019年5月6日に卒業することとなって超途方に暮れました。いろんな人が芸能界から降りていくのを見てきて(玲ちゃんが芸能やめるかは明言してないんだけど)、バンドが解散したり、その解散の理由が彼女を妊娠させたとか、大麻やってたのがバレたとか、バンドない恋愛のもつれとか、本当にどうしようもない胸の穴の空き方をしてきたけど、玲ちゃんはなんとなくアイドルという職業に誇りを持ってやっててゆえに辞めないと思い込んでいたので、彼女が現時点で卒業の背景を重く語らないこともあいまってやりきれない気持ちが続いているんだけど、ヲタはヲタとして彼女の次のステージを応援するしかないから頑張ってほしい(可能性がゼロではないと思ってるけど他のアイドルグループに入られたら悲しくなりそうやな、とは思う。その場合、絶対音楽とダンスがかっこいいところに入ってほしい)

 

上の「knock!knock!」はかっこいい系の楽曲なんだけど、次に貼る「アルファルド」はメロディが美しくてより万人向けなのかなあと思うので、なぜ配信限定!!と思うけど、各種サブスクやDL販売でも250円と格安ですのでぜひ投げ銭のつもりできいてやってください。

 

フィロソフィーのダンス

サブカル向けの説明の仕方をすると、ウルフルズとかナンバガ相対性理論を発掘したことで知られている加茂啓太郎さん(インタビュー記事)がプロデュースを手がけている4人組アイドル。彼女らはとにかく曲がかっちょいいファンクで、本当のファンク(?)に敷居の高さを感じていた、及び、女性ボーカルが多くない問題を一気に解決してくれた感じで、アゲたいときかなりの頻度&時間聴いております。

 


フィロソフィーのダンス/ライブ・ライフ、ライブ・アット・品川ステラボール

上記は2018年の12月に行われた生バンド付きのワンマンライブの映像なんですか、演奏バキバキでダンスのバキバキなのに歌がゴリゴリなの凄すぎませんか。あとヲタのコールすごすぎw 意図的に大ボリュームで入れてるんだろうけど…女子たちに滴る汗とともにライブの熱量がすごい。

しかし特筆すべきが一番始めに歌うマリリと2番めに歌うハルちゃんの歌、うますぎませんか。私はもうこの日向ハル(赤)のボーカルにメロメロなんです。。。

今、日本の音楽界で表現力や振れ幅ふくめた歌ウマ選手権したら私はハルちゃんかなり上にいれるっす。ふだんひょうきんに #ゴリゴリのゴリ とか言ってるけど、後ろにある歴史とか努力を考えると泣けてくるわ。一朝一夕の表現力じゃないもん。音楽にかけるぞっていう覚悟を感じる。しかもこれだけ踊っても歌えるんだもんなあ…すご…すご

 

私はフィロのスはイベント・ライブは結構行ってて、先日はじめてワンマンも観たんだけど、盤は買ったことなくていつもサブスクで聴いていたのですが、彼女らにも”持続可能なビジネス”をしてほしいので、次に出るアルバムとライブDVDは買おうと思います!!


フィロソフィーのダンス「エクセルシオール」

 


フィロソフィーのダンス/ ダンス・ファウンダー(リ・ボーカル&シングル・ミックス)

 

ヤなことそっとミュート

最後にご紹介するのはアラ35ホイホイだと勝手に思っているロック・グループ「ヤなことそっとミュート」。コンセプトがかわいい。

ヤなことそっとミュート:ヤなことだらけの日常をそっとミュートしても何も解決しないんだけど、とりあえずロックサウンドに切ないメロディーを乗せて歌ってみる事にする。(公式サイトより)

なんか我々が高校生だった90年代末期ってとりあえず思春期的な切なさを埋められるラウドロックを無駄に求めていませんでした?そしてそれが2010年も過ぎてソフトシンセ・宅録でなんでも作れる時代に入ってから、こういう演者の演奏に依存したエモみのある音楽がなかなか表に出づらくなってきたと思います(新宿タワレコの試聴機の中には今もあると思うけどインディーでこういうことしているバンドは)。

 


ヤなことそっとミュート - AWAKE【MV】

 

こういうサウンドがメジャーデビューしづらくなっているところにアイドルを合わせ込むことによって人の目につくところに持ってくれてるっていうのが、コンセプト勝ちっぽい感じで好感度高いです。

盤はいまもインディーズ流通だと思うのですが、先日Zepp Divercity Tokyoでワンマンされたくらいなので大成功の部類に入ってきているのではないでしょうか。

個人的には、音楽作品は商業的な持続可能性(勝ち筋)が見えているならば、販管費の抜きが少ないインディーズ流通のほうが良いと思っているので、今後の展開わかりませんがこのままのコンセプトで時代におもねらず走ってほしいと思っています。

彼女らはイベントでは何度か見てるんだけど、ワンマンや盤購入はできていないので、バンド参加のライブを一度観に行ってみたいなあと思ってます!

 

アイドルの振れ幅だけで音楽的欲望が満たされてしまう

このアイドル百花繚乱の時代になにか問題があるとしたら、アイドルがあまりにも広い音楽ジャンルをカバーしてしまうせいで、アイドル以外を聴くための時間や意欲が育ちづらくなるってことですかね・・・最近どんなバンドが話題になっているか?とか、最新の音楽情勢にどんどん疎くなっている気がします・・・

ただ、私としてはやっぱり音楽家(作り手)には商業的に持続可能なレベルで成功してほしいと思ってて、さっきから持続可能持続可能いいますけどつまり、バイトとかしなくても制作やライブ活動に専念できる環境ですね、それを確保してほしいと思っていて。才能がある人が自分でやらずにアイドルをプロデュースすることで結果的にステージに上がれるというのは、それはそれでいいんじゃないかと思うんです。

 

かつてはその役割をアニソン業界に期待してたんですけど、アニソンはアニソンで2次元ガールズグループが覇権をとって、専業アニソンシンガーが本名で活躍できる幅が決して広くなくなってきているなと感じていて、そうなると結局シンガーは役を演じる、そこから外に出れなくなってきているし、制作側も作品に沿った音楽表現が求められている。結果、この5年位って結局アニソンがアニソン然としたままで、枠を破ってエッジの効いた表現が出てきてないなって感じるんです。もちろん全部を聞いてるわけじゃないから知らんけど。自分の耳には届いてないかな。

その逆、アイドルはバンバン自分のところに情報が入ってきて、マーケティング的に成功しているんですよね。やっぱり下敷きとなるアニメとか作品とかないし、タイアップからも解放されている存在って、世界観の構築がカチッと決まるから商品としてわかりやすいし推しやすいのかなと思います。

 

そんなわけで、上記紹介した3つのグループは、もう出てきてから4年前後経っているんだけど、注目すべき新手の奴らがこれからもバンバンでてくることを期待してます。