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在外J-Popおばさんが2016年の音楽エクスペリエンスを書くよ

こんにちは、在外J-Popおばさんこと、う つ ん、です。半角スペースが2個入っております。今は日本にいます。

海外に住んでみたら海外の音楽に詳しくなるのかな〜、UKprogやGerman metalとかに超詳しくなって常に黒いTシャツ着ることになるのかな〜とか思って暮らしていましたがそんなことにはならず、J-Popおばさんの純潔を高貴に保っております。具体的にいうと、UKに住んでいた3ヶ月間で唯一たった1枚購入したCDはBABYMETALの1枚めのアルバムBABYMETALでした。

このアルバムのEU圏盤はボーナストラックにRoad of Resistanceが入っているんですけど、この曲を聴いてこんな泣きメロ+HRなのやってるなんて聴いてないよ〜!好きー!!てなりました。

youtu.be

世間様の波に乗ってアイドルめく - BABYMETAL at London Wembley Arena

私のJ-Pop情報の入手源っていうてもtwitterのフォロイーからの情報、音楽ナタリーとかRO69とかOTOTOYのニュース欄とか結構いいかげんだし、じゃあアンテナ広げていこうぜってしらみつぶしに調べるほどマメでもないし、今年の11月までドイツ国内は著作権管理団体GEMA(←ドイツにおけるJASRACみたいなもの)とYoutubeが著作権使用料に関して法廷の内外で争っており、有名無名巻き込んで世界のいろんな音楽、特にオフィシャルMVやライブ映像がブロックの対象となり、日本のメジャーレーベルも例外でなく、日本からのアクセスかのように偽装して接続しないとまともにYoutube見れなかったんですよね。

prw.kyodonews.jp

まあそんなわけで、2016年は元々好きだった人を追いかける形でJ-Pop活動をしていたのですが、結果的にすごくアイドルめきました。

前述のBABYMETALはきつねDAYこと4月1日に2ndアルバムMETAL RESISTANCEをリリースして翌4月2日にロンドンのWebmleyアリーナでワンマンライブをしました。このアリーナは日本で言うと横浜アリーナみたいな感じの箱で、音楽用ホールではないのでライブ用の稼働は地場UKのアーティストであっても月数回という感じなのですが、このキャパ12000人の巨大会場で結果的には日本人初めてのワンマンライブをしたグループとなりました。すこし前に予定されていたX JAPANのライブがPATAさんの病気によって延期になってしまったので。

で、日本のサブカル層にBABYMETALが浸透しているのを横目で見ながら、私はまぁアイドルだしメタルだしIDZ!とかちょっとよくわかんないしスルーかな!と思ってそれまで聴いてもいなかったくせにロンドンに住んだ記念として買ったUK盤のRoad of Resistanceに見事一本釣りされ、結果的には4月2日、もうロンドンには住んでなくてドイツに引っ越したあとだったのにわざわざUKまでライブを見に行きましたw

ドイツの私の住んでいる街からロンドンまでの交通費はだいたい、東京-新大阪の新幹線くらい。ロンドンでの宿泊代はピンきりですが移動だけなら大したことないんですね。

f:id:takemyhands:20160402182947j:plain当日は雨で大分寒くてテロ対策のためクロークもなくて苦労しましたが超楽しかった!

物販に並んでいるのは日本から来たお客さんも多く、日本人:他=1:1くらいだったのですが、フロアになだれ込んでみると日本人率は10%以下。白人のデブなおっさんが娘の歳以下くらいの彼女らに向かって拳を振り上げて下手な日本語で"よんよん"等叫んでいるの萌えましたね。物販に何時間も並んだので周囲の人と喋ってたのですが、イギリス人以外にもEU圏全体からお客さんが集まっていて、その後ツアーもあるのにわざわざロンドンまで(わしも含め)見に来ていたわけで、彼女らの愛されの深さに打たれました。

ライブのほうは、前半にポップな曲を固めてくるセトリが神がかっており、特にCatch me if you can、Doki Doki MorningからMeta太郎を経て4の歌という流れがね!4の歌ちょう好き…!!周りみんなシャウトしていましたが、日本語発音できる優越感半端なかった!w いいね!いいね!とかま〜だだよ!とかドキドキモーニン!とかよんよん!とか。合いの手の文化をワールドワイドで体現するのめちゃ楽しいです。。。

 

彼女らの仕事に対し本当にメタルなのかという議論はわかる。UKでも、確かアルバム発売時雑誌3誌で表紙を飾りながら、彼女らを扱わないメタル誌もあった。私は彼女らのライブを見て、正直音楽的にどうっていうのは分からなかった。メロディだけ切り取ったらメタルじゃなくて、メタルの伴奏をつけてるからメタルになっているわけで。ユーロビートとかパラパラとかダブっぽい要素もあるしね。

だから私は彼女らを、主軸はアイドルとして凄く完成したShowbizと受け取ったんだけど、メタルを入り口にしたことで日本のアイドル文化が海外で好意的に受け取られているのはとても感動的な瞬間でした。日本にいるときと何ら変わらないテンションで皆で踊って声出して合いの手入れて楽しめる!あっこれ世界共通なんだ、って。

このWembleyでのライブが楽しすぎて、その後のワールドツアーのドイツはケルン公演にも行ったんですけど、小さい箱で演者が近くに見えた反面、演出はあまり派手ではなく照明効果と紙芝居もちょっとだけで、ライブも短かったのは残念だったな。しかし若いので無理せず、じっくりあの独自文化を育てていって欲しいと思うのです。

 

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照井順政(てるいよしまさ)、活動範囲がスパークする

しかし私個人的に2016年ただひたすら熱かったのは、ハイスイノナサのブレーン、照井順政氏と仲間たちが手掛けたあれこれです。

ハイスイノナサはジャンル的にはポストロックと言われることが多いようなのですが照井氏はそれを否定するように作風を融解させていて、私の感覚としては最早音楽である以上の言葉による定義が不明、或るいはライブを見ると「ごめんなさい命だけは取らないでください!!」っていいたくなる音楽、みたいな感じですが、ライブは以下のような感じ。


アニさん(※照井兄こと照井淳政氏)やせててかっこE

 前記動画にも出演しているハイスイノナサのボーカル、鎌野愛さんがバンドを抜けてしまったこと、そしてそのラストライブに立ち会えなかったことは今年の悲しみの一つですが、鎌野さんは別のユニットで精力的に活躍中なので機会を見つけて必ず見に行きたい注目ボーカリストの一人。anoh(アノー)というユニット名は、照井順政氏が大好きな"ア◯ルがあるな"が由来であるとかないとか…

で、そんな照井さんワークスの一つが、楽曲派最注目アイドルsora tob sakana、そしてインディー(じゃなくなった?)ロックバンドsiraphであります。

sora tob sakana 1st album "sora tob sakana"

2016年7月26日に発売されたこのアルバム、先日行われたアイドル楽曲大賞のアルバム部門でダントツの得点で1位となり、本当にこれ単純にJ-Popとして最高やろって、本当にただそれだけなのですが、 BABYMETALで挙げたジャンルの融合がカワイイとメタルであるとすれば、sora tob sakana(通称オサカナ)が成し遂げた融合って、【未完成な思春期の女の子】×【ごめんなさい命だけは取らないでください!っていう音楽】の融合であり、明らかに半熟な成長途上の女子たちにガッツガツに何本も首取られる感覚がものすごくヤミツキになるのです。11月の一時帰国時に定期公演行ったのですが、アルバム再現公演ということで曲順もそのままに全部演奏してくれてとても嬉しかった…☆

当該公演ではないのですが、別の定期公演から、私の一番お気に入りの曲「まぶしい」を是非聴いてあげてください!↓↓ Apple musicにも上がってるのでフルで聞けますよ。

生歌は完璧というわけではないのですが必要にして十分、定期公演で使われている恵比寿CreAtoは背面にLED大型ディスプレイが既設になっていて、プロジェクターではなくLEDの高S/N比でVJを流してくれるのでライブの臨場感が段違いです。下北沢ShelterとかQueみたいな床ベタベタのタバコくさい箱で育ってきた私からしたら、未来かー!て。なります。

彼女らのtwitterとblogをなるべく追いかけているのですが、変にアイドルっぽい媚びというか、作っている感じがなくて、本当に等身大の中高生がひたむきに努力している姿が伝わってきてとても好感度が高い。化粧も薄いし衣装もシンプルだし。これが歳を重ねて売れて予算も出来て…てなったらどうなるのかわかりませんが、彼女らにはよくあるアイドル像をなぞるのではなく新境地を開くことでオーディエンスを満足させる方向に歩んでいってほしいなと思うので、そして音楽的には明らかに新境地を開いてしまったので、17年、メンバーの内3/4が高校生となりぐっと大人びる年、どんなふうに進化し、どんな2ndアルバムが出てきてしまうのか?!超たのしみにしてます。

そして個人的には、あんまり演者にプレッシャーかけんようにしよう…と思いながらもどうしても期待してしまうのが、オサカナが生バンドを率いてライブをする日です。上にあげた「広告の街」ってなんかもう無理じゃないですか。これあれでしょ、どーせ深夜に宅録でフレーズごとに録って録って切って貼って重ねただけでしょ…って 弾 い て る ー !どーん!みたいな…語彙がなくて申し訳ないんですけど変態の総合芸術ですよね。

youtu.beこれ演奏と歌とダンスを同時にやったら目と耳のやりどころに困って同じ曲3回やってもらわなきゃいけなくなるやつ
 

siraph - "siraph" "current mood Vol.1&2" and "quiet squall"

そして照井順政ワークスの2016年双翼のもうひとつが今年デビューしたインディーロックバンドsiraphです。実際はこのバンドを語るのに照井氏だけをフィーチャーするのは正しくないので、ちゃんと書きますと、
このバンドは、個人や同人ユニットbinariaLantis所属アニソン歌手などとして活躍しているAnnabelさん、彼女のLantisでの2枚めのフルアルバムに曲提供をしたゆかりで集まったGu.照井順政、Key.蓮尾理之(ex. School Food Punishment, ジェッジジョンソン等)を中心として、同じくex.sfpのBa.山崎英明、Dr.山下賢(Mop of Headなど)の5人で結成されました。元々はドラマーを入れ替えつつ、オリジナル曲とAnnabelさんのソロ曲をごにょごにょするAnnabelバンドとして活動してたのですが、16年の4月くらいにsiraphと看板を変え、同人販路でcurrent mood vol.1(soundcloud)を発売しました。

その後に正式な"1枚目"として発売されたセルフタイトルドの"siraph"はタワーレコードAmazonに販路を限って発売したとのことですが結構話題になっていたような気がします…どうでしょうね。色眼鏡ですかね。

soundcloud.com

私は彼らの活動に本当に深く敬意を払っているのですが、とにかく、こんな大好きなメンバーが集まってバンドを結成してくれたことだけで神がかってるのに、siraphTVというYoutube上での生放送イベントを不定期に開催してくれて2016年だけでその回数10回!要は、ドイツにいようがどこにいようが、彼らのライブとトークと楽しい遊びを観覧することが出来たのです。

ニコ生などWeb上で配信を行ってプロモーションしていくというのはアイドル、同人などで一般化しつつありますが、ガチプロのガチ演奏(VJ付き)をタダで見れてしまうというのはなんというか…日本の現地にはお客さん入れられてましたけど経理的に大丈夫なのかしらん…銭を投げたほうがいいのではないのか…?!などとあたふたしないこともない。

11月に奇跡が起きて出張一時帰国時に彼らのちゃんとしたていでの初ワンマンライブに参加できたのですが、全然初めてって言う感じがしなかった。Annabelバンドのライブをよく見ていたからというのもあるけど、siraphTVでバンドの仲とか空気感とか曲の演奏の出来上がりの推移とかをつぶさに見てたからだと思う。インターネッツすごい、Tech距離を超えます〜〜!というお話。

 

siraph
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私はとにかく芸事の人たちにはいつも実験をしていてほしいなという思いがある。音楽も実験的なものが好き。上手にジャンルの枠にはまらなかったり、(良い意味で)はァ?って思うアレンジだったりバカテクだったり、バカテクじゃなくて王道なのに何か新しかったり…道なき道を行く人がかっこいい。その道なき道の行き方が、音作りだけじゃなくて、活動の仕方にまでにじみ出ているのがsiraphの姿だなあと。

その後、彼らはTVアニメBloodivoresのED曲"quiet squall"をアニソンやアニメ・映画などを扱うメジャーレーベルであるNBCユニバーサルからリリースするのですが宣伝などマイペースそのもので、傍からみたらレーベルから放置されているように見えなくもないw アニメなどに使っていただくのは歓迎としてもマイペースにその時どきの音楽を制作していくのじゃ!という姿勢なのかなと勝手に想像している。

youtu.be

この"quiet squall"、前作を引いてガツガツロックかつ超絶技巧的演奏…と想像して聴くとびっくり、表題曲はメロウで超おしゃれ。ジャケ写のごとく色を当てはめるならグレー×ベージュみたいな。大人です。頭ちょんまげにしてユニクロのくたびれたどピンクのパーカーとか着たまま聞いたらAnnabelさんにぶん殴られるかも知んない!着替えてから聴こうね。

 

彼らのこういった、移り気な音が良いです。盤によって色が違う。その時どきの気分をきれいに切り取っている。コンポーザーである蓮尾ちゃんとてるりん(照井さん)の振れ幅も、右の変態と左の変態という感じで振り切っているもののまた心地よく、Annabelさんはどまんなかにどしーんと安定した歌声で美しくてぶれない。

なんとなく、彼らならいつまでも遊び続けてくれるんじゃないか、簡単にやめちゃったりしないで、ずっと制作したり放送したりライブしたり、いろんなマグニチュードでその時の気分を時候の挨拶のように届けてくれるんじゃないかと期待してしまう。

ああどうぞ来年もよろしくお願いします、コンポーザー二人いるんだから2枚組フルアルバムを年イチで作れるよね?ね?(言う方は超勝手

 

quiet squall(TVアニメ(Bloodivores)ED主題歌)