新譜らっしゅ!のあのわ3rdアルバム、さよぽに2ndなう

意図せず新譜ラッシュに喘いでおります。本当は2/27発売のT.M.Revolution「UNDER:COVER2」に夢中になっているはずが安定の積みっぷりです。

まだ聴き込めたわけじゃないんだけど、3/6発売の2枚について語りたいと思います。ちなみに両方共TOWER RECORDS ONLINEで1週間前くらいに予約したら見事に発売日を逃しました。た・わー めー

 

1. のあのわ 3rdアルバム「Cry Like a Monster」

Cry Like a Monster
Cry Like a Monster
posted with amazlet at 13.03.09
のあのわ
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独特の高低音と節回しのチェロ・ボーカリストYukkoをフロントマンにする4人組バンド。先般、ドラムの本間シュンタ君が脱退して、5人から4人になり、かつ、SPEEDSTAR RECORDSからも離れてリスタート。盤面を見ていると、バウンディ系列でレーベルを作ったようで、所属事務所はSPEEDSTAR MUSICで変わらずのようです。

このアルバムが驚きました。まずなんか”知ってるポップス”じゃないんですよ。のあのわというと、蒼井優がジャケ写してCMが流れた「Have a good day」(←YoutubeのMV)とか有名ですが、ああいういっかにも!っていうポップじゃない。しかも全然チェロ弾いてない。ボーカルの高音がびゃーっと伸びて、間奏はチェロが鳴って、なんか元気でポップで走りだしてく〜っていう従来のイメージを打破しすぎてて衝撃でした。

じゃあこのアルバムはどんななの?っていうのは、上に貼った「Hurry Up!」の音だけではとても語り尽くせなくてとにかく聴いて欲しいなあという感じなのですが、まず音作りに強引なトリッキーさがなくて素直です。シンセの音色も複数の曲に同じ音を使ったり、統一感を出してます。そしてその音がなぜか80's〜90'sの風を呼ぶピコ感だったりして、私としてはたまらない。バンドがちゃんとバンドの枠のなかで仕事していて無駄に色々詰め込んだりしてないところが私は好きです。

もうひとつ、Yukkoさんのボーカルは高音引き上げて節を回して…っていうのがひとつ大きな特徴で、これが逆にキンキンしていて苦手っていう人もいるとおもうんですね。上に貼った「Hurry Up!」は比較的高音めな曲かもしれませんが。アルバム全体、このテンションでいくのかと思ったらそれがぜんぜん違う。低音を聴かせる・魅せる歌や、歌詞をつぶやくようにごりごりと進行していく歌「Core.」(のあのわ真髄の7拍子。まさにごりごり進行で最高です)、ピアノ一本でボーカルの表情だけで表現していく「風に吹かれて」。とにかくボーカルの表現力の進化が凄まじい。「風に吹かれて」なんて相当、歌で語れないと地味になってしまう難しい歌と思います。これライブで聴いたら、Yukkoさんのボーカルに引きこまれてしまうと思うよ。

 

個人的には、インディーからメジャーに来るときに出たミニアルバム「ゆめの在りか」以来のモンスターアルバムだなあと思っております。しばらく大切に聴けるなあと確信した一枚。

 

2. さよならポニーテール「青春ファンタジア」

おまけいっぱいでめちゃかわいい初回限定版が届いたよ\(^o^)/

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さよならポニーテール
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女性ボーカル5人組(最近2人増えた)の謎ポップグループ「さよならポニーテール」の2枚目のアルバム。2CD、おまけまんが、塗り絵、カード、ミニポスターなどなどがかわゆうオレンジの箱に入っております。

ネットカルチャーどっぷりの人からしたら20周回遅れくらいと思いますが、やっとこ金銭的食指が動きました。そしてパクっとやられました。あんまりこう言うこと言いたくないのですが、やくしまるえつこのウィスパーとポップスが好きな人はチェックしておいて全く損しないと思います。実際えつこそっくりの声の子が居ます。空気公団風の子も居ます。

 

アイドル全盛…の時期を少し過ぎ、ネットカルチャーの成熟はボカロPの商業遷移を産み、インディペンデントなら何でもいいと思ってた脱ロキノン世代の自称音楽フリークは何を聴いたらいいかわからない時代。アイドルというほど露出もなく、ネットカルチャー出身というには完成度の高い芸術性(音もイラストもMVも)、レーベルは堂々のEpicで、つり球のEDはまさかの「空も飛べるはず」直球カバーで… 売る気満々と思います。

 

肝心の中身は、とにかく気持ち良いポップス。今日なんか外も明るくてあったかいし最高。高級ヘッドフォンやスピーカーにもなじむ丁寧な音作りだし、とにかくボーカル5人の丁寧な地声がそれぞれ最高に可愛い。新垣結衣の「そら」みたいな、へたうまウィスパー地声ファンにはたまりません。やくしまるえつこの焼き直しで全然いいじゃん!上等だよ!むしろえつこだったと言われても私はさよポニとるもん、えつこあっち行けっ

 

どうも佐野康夫神!!とかいって、演奏家の上質な演奏に耳を澄ませないとフロントマンの活躍だけでは音楽のエアポケットを埋められない近年でしたが、のあのわにせよ、さよポニにせよ、ボーカル(とメロディと歌詞)でしっかり勝負しかけてきてくれる音楽家が居ることを大変嬉しく思います。

 

<さよポニのすごいみゅ〜じっくびでお>

アルバムのクロスフェードなのだけど映像はオリジナルでアルバム全曲試聴を7分半ワンカットで収録している鬼作品。定点観測バージョンもあるよ。